妊娠中や産後の骨盤は歪む? ②仙骨の歪み part4 自律神経トラブル・腰痛・乳腺炎・肩こり

妊娠中や産後の骨盤は歪む?②仙骨の歪み part3の続き

妊娠中や産後は、肩こりや腰痛以外にも乳房トラブル・疲労感・自律神経に関連する症状などに悩まされることがあると思います。

その原因は様々ですが、骨盤(仙骨)の位置のズレが関与しているケースがあります。

腰椎がズレれば腰痛のリスク、

胸椎がズレれば乳腺炎のリスク、

頸椎がズレれば肩こりのリスク、

後頭骨がズレれば頭痛などのリスク

が出てきます。つまり、骨盤の歪み(ズレ)が様々な症状の原因になるということです。

仙骨が左右に倒れるとどうなる?

仙骨の左右の動きを側屈と表現します。

仙骨の隣には腸骨があり、仙骨と腸骨とで仙腸関節を形成しており、側屈運動はこの関節で起こります。

仙骨は、腸骨が後傾した側へ倒れる(側屈する)ため、骨盤に左右差があると、仙骨にもその影響が及びます。

仙骨が側屈すると、仙骨の上方に位置する腰椎・胸椎・頸椎・後頭骨にも連鎖していくため、脊柱全体のズレに繋がります。

自律神経への影響

自律神経は交感神経副交感神経に分けられます。

自律神経は末梢神経に分類されますので、脳ではなく脊柱にある脊髄から出ています。

そして、交感神経は胸椎と腰椎から、副交感神経は頸椎と仙椎(仙骨)に分布しています。

人間に身体には、バランスを取るためになるべく水平な位置を保とうとするシステムがあります。

仙骨が傾くことで、それに連動(補正)するように腰椎・胸椎・頸椎も傾いていきます。

脊柱の傾きやズレは、その傾きに対するバランスの補正をさせるために、周辺の筋肉や靭帯を余計に働かせることで、結果的に筋肉や靭帯の緊張が上がります。

その緊張が自律神経の働きに影響するため、交感神経と副交感神経のバランスが悪くなり、様々な症状を引き起こすことになります。

仙骨の傾きを整えることで、脊柱のバランスを良くし、筋肉や靭帯の緊張を抑えることで、

自律神経の状態を整えることができます

腰椎が傾けば腰痛のリスク⇧

仙骨の上には5つの腰椎があります。

腰椎(腰骨)には、得意な動きと苦手な動きがあります。

前後の動き(屈曲と伸展)は得意ですが、回旋の動きは苦手です。

頸椎が90°、胸椎が60°回旋できるのに対して、腰椎は10°程度しか回旋できません。

下の写真でも、腰が回旋しているように見えて、実は胸椎と股関節によって捻じれの動きが作られています。

同じ動きでも、胸椎と股関節で回旋できているのか、それとも腰椎で回旋させているのかどうかで、中身は全く変わってきます。

胸椎と股関節ではなく、腰椎で無理やり回旋させている人の方が、腰痛リスクは高くなります。

また、腰椎は側屈すると同時に回旋するという特性があります。右に側屈すると左回旋、左に側屈すると右回旋が同時的に起こります。(諸説あります。)

腰椎が仙骨の傾きを補正することにより、腰椎には側屈+回旋の動きが強いられることになります。

腰椎が苦手な回旋の動きを伴いながら動いてしまうことで、腰へのストレスが増大し、腰痛を引き起こします。

仙骨の傾きを整えて腰椎の余計な回旋を軽減させたり、胸椎や股関節の可動性を高めることで、

腰椎への負担を軽減させ、腰痛を改善させることができます。

胸椎が傾けば乳腺炎リスク⇧

産後の鬱積や乳腺炎には、胸椎のズレ大胸筋・小胸筋の過緊張が関係していることがあります。

仙骨の上には腰椎が、腰椎の上には12の胸椎があります。

胸椎には肋骨がついており、肋椎関節を作ります。そして、肋骨には大胸筋・小胸筋が付着しています。

仙骨が傾けば、それを補正するために腰椎と胸椎も傾きます。

胸椎のズレは肋椎関節を介して肋骨へ伝わり、さらに大胸筋・小胸筋に伝わっていきます。

大胸筋・小胸筋の緊張が高くなると、胸部全体が硬くなり、血液やリンパ液の循環不全が起きることで、

鬱積や乳腺炎の原因になることがあります。

仙骨の傾きを整えることで、胸椎(胸肋関節)の補正を無くし、

大胸筋・小胸筋の過緊張を軽減させ、鬱積や乳腺炎リスクを減らすことができます。

頸椎が傾けば肩こりリスク⇧

頸椎がズレれば肩こりのリスクが出てきます。

胸椎の上には7つの頸椎があります。

仙骨➔腰椎➔胸椎と補正が連鎖していくということは、頸椎にもそれが続いていきます。

また、妊娠中や産後ではswayback(スウェイバック)姿勢になっているケースが多いです。

スウェイバック姿勢では、骨盤と頭部が正中線よりも前方に、胸部(胸郭)は後方へ偏位しています。

人間は、『頭部』『胸郭』『骨盤』の位置関係を調整することによって、バランスを取っています。

例えば、お腹が大きくなるにつれ、重みで骨盤は前方へ偏位しようとします。

その反対方向(後方)へ胸郭を偏位させることで、前後のつり合いを取ろうとします。

この時、胸郭が後方偏位することで、相対的に頭部が前方へ偏位しまい、結果的に頚の部位にもストレスがかかることになります。

仙骨のズレや骨盤の位置を整えることで、頭部の位置も修正されることになるため、結果的に頚の部位のストレスを軽減させることができます。

後頭骨が傾けば頭蓋骨の歪みへ

仙骨と頭蓋骨はリンクするような関係性にあります。

仙骨がズレれば後頭骨がズレるし、後頭骨がズレれば仙骨がズレます。

頭蓋骨の話はまた別のコラムで。

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