自然分娩と帝王切開はアプローチが異なる

自然分娩の場合

赤ちゃんが捻るようにしながら骨産道を通過するため、直接的に骨盤に対してストレスが加わることになります。

産道を通過する際、骨盤は開こうとしますが、骨盤に左右差があったり、反り腰が強かったりすると、赤ちゃんが通りにくくなったり、骨産道が広がりにくくなる可能性があります。

また、『骨盤隔膜』を含む『骨盤底筋群』が、骨盤の底にハンモック状に付着しています。  この骨盤底筋群が、赤ちゃんが出てくる際に過度に伸張されたり、ストレスを受けることになるため、自然分娩の場合の産後フィジカルケアでは、特に骨盤底筋群へのアプローチが重要になります。

骨盤底筋群とは ➡

帝王切開の場合

手術により、腹部を開腹することで赤ちゃんと取り出すため、骨盤底筋群へのダメージは比較的少なくて済みます。 一方で、腹部にメスがを入る際、皮膚や筋膜、特に腹横筋という筋肉にも影響が出ます。

もともと骨盤は産後3~5ヶ月は緩んだ状態にあると言われており、本来骨盤を締める役割を持つ腹横筋が働きにくくなることで、より骨盤が不安定になる恐れがあります。傷の治癒がおさまり次第、皮膚や筋膜の癒着を取り除くことで、腹横筋が働きやすい状態にすることが重要になります。

腹横筋とは ➡

いずれも経過とともに治癒していくものですが、産後直後からワンオペ育児早期復職などで、早くから身体に負担をかけ過ぎてしまうお母さんが増えており、そういった場合はより注意が必要です。