妊娠・出産=骨盤の歪みではない

現代は、AIなどの文明が急速に発達し過ぎています。その影響で、人間は昔ほど身体を使わなくていい環境で生活できるようになりました。歩かなくても、自動車でどこでも行けたり、会社に行かなくても、自宅の椅子に座ったまま仕事ができたり、お掃除をロボットが代わりにやってくれたり…。

便利なことは人の生活を豊かにもしますが、一方で、人間が本来持つ機能は発揮する場面が失われ、『コア』の筋肉が機能低下を起こすなどの様々なデメリットも生じます。  

また、晩婚化が進み、第1子を授かるお母さんの平均年齢は、2021年の時点で『31歳』というデータが出ています。30歳代後半以降で授かられる方も少なくなく、筋力低下や柔軟性の低下などが、少なからず生じている恐れがあります。

つまり、骨盤の歪みなどのフィジカル的なトラブルは、『妊娠・出産』のタイミングで生じたわけではなく、『便利社会化』や『晩婚化』などの影響を受け、妊娠前から起きていたケースが多いと考えられます。

 重要なのは、骨盤などの歪みがなぜ生じてしまったのかを考察し、その部位をアプローチすることです。骨盤の歪みが、便利社会化の影響に加えて、実は『学生時代の足の捻挫が原因だった…』なんてことも少なくありません。 実際、産婦人科のフィジカルケアに来られるお母さんは、『足の捻挫』や『骨折』など、過去に様々な怪我を負っていたケースが多いです。