

「妊娠(出産)したから骨盤が歪んだ」…と思われている方がいると思います。
実際には、他に骨盤を歪ませる原因が沢山あります。その中にはストレスや環境があります。

妊娠中や産後に身体的なトラブルが起きている方は、これらの影響を受け、妊娠前から身体(骨盤)に歪みが起きていたケースがほとんどだと思います。
ストレスと骨盤の歪み
我が国は世界的に見てもストレス社会と言われています。ストレスは自律神経や呼吸に影響を与え、ひどい場合には骨格まで及ぶことがあります。特に、感情の影響は仙骨や脊柱、内臓などに反応が出ていることが多いです。
実際、妊娠中や産後に腰痛のお悩みなどで来院される方の中には、過去になんらかの心的ストレス(家庭内トラブル、人間関係のトラブル、事故など)を経験されたことがある人が多い印象があります。
便利社会・晩婚化と骨盤の歪み
現代は、文明が急速に発達し『便利社会』と呼ばれています。その影響で、人間は昔ほど身体を使わなくていい環境で生活できるようになりました。歩かなくても、自動車でどこでも行けたり、会社に行かなくても、自宅の椅子に座ったまま仕事ができたり、お掃除をロボットが代わりにやってくれたり…。
便利なことは人の生活を豊かにもしますが、一方で、人間が本来持つ機能は発揮する場面が失われ、『コア』の筋肉が機能低下を起こすなどの様々なデメリットも生じます。
また、晩婚化が進み、第1子を授かる女性の平均年齢は、2021年の時点で『31歳』というデータが出ています。30歳代後半以降で授かられる方も少なくないため、さらに筋力低下や柔軟性の低下などが生じている可能性があります。
骨盤の歪みなどのトラブルは、『妊娠・出産』のタイミングで生じたわけではなく、『ストレス』『便利社会化』『晩婚化』などの影響を受け、妊娠前から起きていたケースが多いです。
重要なのは、骨盤などの歪みがなぜ生じてしまったのかを考察し、その部位をアプローチすることです。骨盤の歪みが、実は『幼少期からの精神ストレス』や『学生時代の足の捻挫』が原因だった…なんてことも少なくありません。 実際、産婦人科のフィジカルケアに来られるお母さんは、『足の捻挫』や『骨折』など、過去に様々な怪我を負っていたケースが多いです。
